竹延ブランドを守る職人のみんなへの社長メッセージFOR CRAFTMAN
『労務不足』『高齢化問題』『若手の育成』等といったこれらのキーワード
現在、建築業界全般多くの企業がかかえる共通課題である。
この業界をやってきて年々実感している現在、当社としては抜きんでた企業を目指すべく現在ロボット事業にも着手している。
よくロボットが出来たら人間は不要になっていくのか。という議論が世間では取り沙汰されるが、実際にはそんなことは考えられない。全ての作業をロボットが建築現場で完全にできる事なんて、何十年何百年と先の未来ならいざ知らず、そう遠くない未来では、人がより専門性のある作業に注力していくための補助作業程度の実現性だからだ。そうはいえどもロボットを開発していく事は、これからの時代求められる上、上記で挙げた課題を少しは改善できると考えての事。
職人が職人らしくより専門性の高い作業をしていく事での技術向上、その分ロボットを扱っていく操作者を職人ではない一般からの雇用で補う。塗装には興味がないけど、機械には強い、またはロボットに興味があるというような分野含め、またそこで新たな若手の育成にも繋がっていく。それぞれの専門分野で、今まで以上に個々が活躍できる場を提供する。
そのうえで、技術と同じ大切な『安全』決められたルールを順守するプロとしての意識、これらを守ってこその職人。皆さんにはただ単なる『職人』ではなく、ルールを守れる『カッコいい職人』として今後さらに活躍していってもらいたいと切に願います。
ご安全に。
代表取締役社長 竹延 和希
当社が塗装工事や大規模改修工事をやっている意義を改めて考えてみたい。
テレビ・新聞等のメディア取材もあり、いま当社には職人になりたい人が殺到している。皆さんの仕事は、もともと非常に魅力的な仕事だということを改めて理解してほしい。この仕事に憧れたり、家族を養えると思って、たくさんの人たちが皆さんの仕事を志してやってくる。
当社は少しずつ変わってきている。カラダに安全な水性塗料を日本のどこの会社よりも使い、機械で吹き続け、女性を受け入れてきた。これは1年や2年でできたことではなく、10年、15年前からずっと私からお願いして、結果的に皆さんがやってくれなければ、今の変化はなかった。
ここでこんな話をしたい。私は広島で生まれ、祖父は畳表の職人だった。それを嫌った父はサラリーマンだったが、私が15歳の時に病死したため、私は新聞配達をして学費を稼いだ。又、祖父は家計を助けるため再び畳の機械を動かし始めた。そう、技術さえあれば古い機械でもいつでも動かせるのである。私はそんな祖父を心から尊敬した。ただ、昔と違っていたのは畳の値段で、昔は1枚3千円から1万円したのが、2、3百円になっていた。その後、畳の需要はさらに減り、かつて百社以上あった畳表の会社はほとんど生き残っていない。そこで唯一生き残る方法は、圧倒的な技術力のみである。技術が落ちて日本人でモノづくりをする優位性を失い、海外で造るものと変わらなければこれからも生き残れない。
だからこそ、当社は今、人材の育成に全力を挙げている。ベテランが元気なうちに技術を伝えるためである。そういう人たちがいなくなった後にただヒトを入れれば、必ずレベルは落ちる。この日本でも、別に日本人が塗り続ける必要はないだろう。ギリギリのところで今は、日本の塗装業も、竹延ブランドも残っている。それをなんとかして残すには、腕に技術をたたきこみ残すことのみである。
職人の皆さんはどうか、より一層自分と向き合い、子供や友人、お孫さんたちに『この仕事はいいよ』と胸を張って言えるようにしていただきたい。
これからも皆さんは常に健康に留意され、少しでも体調に不安があれば申し出てほしい。
ご安全に。
前社長 竹延幸雄